「男の一生」八年ぶり（美香）

美香です。
八年ぶりの三田村組。
久しぶりで嬉しい。
でも、ファイナルとはやはり淋しい。
でも、「男の一生」稽古場は楽しい。

さて、わたしはプロンプをするのが好きです。
科白につまった役者さんに、絶妙なタイミングでプロンプを入れる
事が出来たとき、
勝手にその役者さんとの一体感を覚えて、しあわせになる。

しかし、今回は高木泉ちゃんというりっぱな演出助手がいてくれる
ので、その機会はあまりありません。
でもじつは、泉ちゃんははじめプロンプが下手だったので、
いつか自分の出番が来るのではないかと密かに狙っていました。
しかし若く才能のある泉ちゃんは、日に日にプロンプが上手くなっ
ていき、
結局まったく私の出番はなくなってしまいました。

しかししかし、今日は、その泉ちゃんがお休みだったのです。

待ちに待った私の出番、かもしれないと、
台本をしっかり手に、稽古に臨むと、

あれ？私が何も言う前に伊東さんがプロンプしてくれたぞ。
あれ？今度は斉藤さんが。
高乃さんが、福本さんが……
あれー、

今日もわたしの出番はありませんでした。

でも、これは
稽古場にいる人間がみな一丸となって、ファイナル公演を盛り上げている
その事の証なのだと気づきました。
三田村さんは、とてもしあわせものだなと思いました。

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