サスペンデッズ「カラスの国」

東日本大地震の余震が続く中、2011年3月17日~23日までの1週間、9回の全公演を本番中、余震に見舞われることなく、無事終了できましたこと。そしてなにより800人近いお客様が劇場に足を運ばれたこと、本当に感謝いたしております。ありがとうございました。

劇場でのラストの通し稽古が始まる直前の地震。ついに当日の朝に一回限りの舞台稽古で本番に突入!
しかも役が護送中の囚人ということもあり、拘束衣を着せられ、ロープに繋がれて登場ということで大変緊張しました。

今回は、早船聡氏率いるサスペンデッズのメンバーと、その親しき30代のメンバー8人の中に、9人目として倍年齢のぼくの参加で、どうなることやらと思っておりましたが、皆さんとても演劇に対する姿勢が素晴らしい役者さんたちで、とても気持ちよく参加できました。
作・演の早船さんだけ少し年上なのですが、それでもボクの息子と同じ年なのには、いろいろ感ずるところがありました。

この状況なので、ボクのお客様もいつもの1/4くらいでしたが、今回の舞台は客席はスカスカなのに演じる方と観る方の心が不思議なほど通い合ったように思いました。
この場を借りて、お客様だけでなく、この公演の実現のために力を貸してくれた劇場、ならびにスタッフ、キャストの皆さまにもお礼申し上げます。

さてこの度、自然の力をまざまざと見せつけられましたが、人の力の愚かさもまた、まざまざと見せつけられております。
第一に原子力発電は、いかに安かろうが、電力が不足しようが、日本経済が破綻しようが、これはまだ人間が操る段階にないのだということを、世界中で再認識しなければならないということです。
今、復旧に必死で自己犠牲をおそれず闘ってくれている方には、本当に感謝しますし、この原子力を安全なレベルまで持って行って、どう廃絶して行くのかを考えましょう。
その為には、これから我々ひとりひとりが、戦後手に入れてきた豊かさをどれだけ失うかの覚悟が必要だと思っております。

政官の癒着が、日本中の海岸線に発電所を次々に作ってきました。そして、柏崎刈羽原発の教訓もひとつも生かされませんでした。
このことを最後まで(短い余命)叫ばなければ、今回死亡、不明、そして放射能に汚染されつつある、農家、畜産、漁業に携わる方々、また、未来の子どもたちに対して、我々の生きている意味がありません。

終演後、お客様にもこの話をし続けました。
どうかうやむやにしないために声を上げつづけましょう。

また次のお芝居のご案内できる日を。

三田村周三

2011-03-26 | Posted in ブログNo Comments » 

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