恋の片道切符、俳優修行、欲望という名の電車。
こんにちは、三田村です。
先日予定していた観劇。プチテラスの残工事、藤棚の藤を移植、災害時のテント燃料等を入れる物置の組立などが入り、24日(金)まで働いていました。
そのため、今回も“イキウメ”観られずじまいでした。
イキウメ制作の吉田直美さんは、とても真面目で、やさしく、素晴らしい女性です。行けなくてゴメンナサイ!
22日はなんとか、“シャンプーハット”に行ってきました。
「恋の片道切符」。今回はお話しがとてもシンプルで、ホッとする内容でした。この前の2作が、このままこの人達はどこまで行っちゃうんだろうと心配していたので、なんだか嬉しい気分で帰ってきました。
今回は男9人で、残念ながら我が娘タッキー(滝沢恵)は出ておりませんで、とても残念!
その代わりというわけではありませんが、ボクが勧めてシャンプーハットを見せた原金太郎(ボクが“中村座”金さんが“卍”のころからのつきあい…30年以上)が、何故かボクを差し置いて出演しておりました。とにかく、ここの役者さんは、場面の緊張感を創り出す事が実にうまいと思います。皆さん、いい味が出てました。
さて、24日で肉体労働とおさらばして、翌25日(土)は昼、中野光座にてMODE「唐版・俳優修行」。夜、吉祥寺シアターにてラドプロの「欲望という名の電車」を観てきました。
MODEは、3年ぶりくらいにみました。ケンカ別れしてから10年ぶりくらいに松本修氏と挨拶を交わしました。作・演出、役者として大好きな斉藤歩くんがガンバっておりました。しかし、唐さんの作品というのは、一般的な演技論あるいは演技意識では、やはりその世界に存在する事が出来ないという気がしきりにしました。だから、ああ、そういえば麿呂さんが、李さんが、四谷シモンが、タカさんがそんな様なセリフを言って、その場にいた観客である我々はドキドキワクワクして、日常の時間から非日常へドンドン連れ去られていった事を懐かしく思い出しはしましたが、シラーッと眺めて、ああ、ガンバってるなと思って、帰って参りました。
あ、そうそう。MODE時代の仲間、小嶋裕樹君、そして写真家の宮内勝さん、今はフリーの梁山泊の石井ひとみさん等と会いました。
そして、中野から吉祥寺へ行き、ドトールへ入って、17才シングルマザー『まっすぐに。』(竹書房)(大家族、青木家の長女。波瀾万丈の前半生)をドトールの紙ナプキン20枚くらいをグショグショにして2時間で完読。これはTVを見ていない人にはどうかなとは思いましたが、今の世にこんなまっすぐな美しい魂が(もちろん顔もキレイ、声も優しい)あることに感動しました。自分の人生をグチりたくなったり、ちょっと疲れるとすぐ女房の前で疲れた様な顔をしたりしている自分が、本当に虚しくなりました。
さて涙を拭いて“テネシー・ウィリアムズ”、この「欲望という名の電車」。実は、政治思考だった19才のボクに「芸術はすごい、政治なんてやってる暇はない」と、役者を志させた大切な作品です。
昔の東横ホールだったか、都市センターホールだったか、俳優座だったのか忘れてしまいましたが、杉村春子さんの「ブランチ」に打ちのめされたのでした。
それから、家で飼った雌猫の“春子”は18年生きました。この猫は生後2.3日目から育てたので、生涯自分は人間だと思っていた様で、口で雑巾をくわえてふき掃除もしてました。また、きらいな女優さんが来ると、知らない間にバッグをつめあとだらけにしました。
…話がそれました。
そして、この「欲望という名の電車」はボクの中の作品とは何の関係もない様な、元気のいい作品でした。従って別にイヤでもありませんでした。
ボクにとっての「欲望という名の電車」はベルイマンの映画の様に、ひとつの階級が滅びてゆく、哀しくも美しい話なのです。しかし、ステラをやった“町田マリー”さんは、姉思いの素敵なステラでした。この人は毛皮族の主演の役者さんだと言う事で、今まで何度か見逃していた事が悔やまれました。
杉浦さんも、下総源太朗君も元気でしたが、ボクの大好きな、MODEを引っ張ってきた久保酎吉(チューさん)が苦戦していました。チューさんが苦戦しているのを初めて見た様な気がしました。
この日は、ウチの制作の上田さん、美香ちゃん、藤井びんちゃん、昼会った宮内さん、水谷さん、そして舞台美術の(MODEで一緒に賞を獲った)島次郎さん、宮島君(分署次長)の奥様、ずいぶんいろいろな方が来ていました。久々に飲み屋でチューさんと芝居の話ができて楽しかったです。